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初心者でも楽しめる! 落語を聴きに浅草演芸ホールへ行ってみよう

漫画やアニメの影響もあって人気が高まっている落語。落語といえば、つくばエクスプレス「浅草」駅のすぐ近くに、浅草唯一の落語定席「浅草演芸ホール」がありますね。興味はあっても実際に体験するとなると初心者にはちょっぴり敷居が高いもの。初心者なりの楽しみ方を教えてもらえないかと向かった先は……

趣味で落語のある日常を楽しんでいる浅草在住の女性がいる、と聞いてやってきたのは、「おにぎり浅草宿六」。
おいでよTX編集部のナビゲーターとしても活躍されている「おにぎり浅草宿六」三代目ご主人、三浦洋介さんのお知り合いの廣島さんにご協力いただき、落語の楽しみ方についてあれこれお伺いしてきました。

廣島さんは、昔から落語に興味がありましたが、3年前に結婚を機に浅草に住むようなりより落語が身近なものになったといいます。月に1、2回は寄席へ行き、毎日iPodで落語を聴いているそうです。宿六へも通う廣島さんのお気に入りのおにぎりの具は“しょうがみそ“。三浦さんににぎっていただいたおにぎりをいただきながらの、楽しい時間となりました。

これを知っておけば初心者でも安心な落語の基本

三浦さん(以下文中、み):今日はよろしくね。さっそくだけど、落語って簡単に説明するとどういうものなの?
廣島さん(以下文中、ひ):落語は、噺家と呼ばれる人が座布団に座ってしゃべるオチのある滑稽な話のこと。江戸落語と上方落語というのがあって、江戸は東京、上方は大阪・京都を中心とする地域で主に演じられるものをいいます。
み:浅草演芸ホールでは両方聴けるの?
ひ:そうですね。でも江戸落語が主ですね。
み:古典落語と新作の違いは?
ひ:古典は江戸~大正時代に作られて代々語り継がれている噺。新作(創作)はオリジナルの作り噺になります。私は古典落語が好きで、古典はカバー曲、新作はオリジナルソングというと分かりやすいかな。普通の会話だと前に聞いた話っておもしろくないんですけど、落語は何回聴いてもおもしろいんですよね。
み:それクラシックも同じだよね。絶対に一音まで同じなんだけど、指揮者によってぜんぜん違うものになる。
ひ:コンサートなどに行ったとき、新曲よりもヒット曲のほうが「わーっ! きたきた!」ってなるみたいな感覚かな。落語(ここでは古典落語)は知っていると尚おもしろいというのが不思議な魅力です。

【POINT】
※落語:オチのある滑稽話
※古典落語はカバー曲、新作(創作)落語はオリジナル曲
※何度聴いてもおもしろいのが落語

おにぎりをテイクアウトして浅草演芸ホールへ♪

み:浅草演芸ホールでは月に3パターン演者が変わるんだよね。
ひ:10日ごとに上席、中席、下席とあり、落語協会と落語芸術協会が毎回交互に公演を行っています。31日がある月は、この日に特別興行があることも。11:40~21:00まで昼の部と夜の部があって、入れ替えがある場合もありますが、基本的には入れ替えなしなので、好きなときに行って好きなときに出られて気軽ですよ。

み:大衆演劇は基本的に飲食OKなのも嬉しい。
ひ:お腹がすいたらお弁当を食べてビールを飲みながらゆったりと落語を聴く時間は、本当に至福の時間です。飲み物や軽食は売店で購入できますし、宿六さんでおにぎりを買わせてもらってテイクアウトして見に行ったりも。落語って、少し敷居が高いなと感じたり、分からないから行きにくいという方もいるかもしれないですが、一般的なマナーを守れば何も問題ないですよ。そんな方にこそ浅草演芸ホールはおすすめです。

【POINT】
浅草演芸ホールhttp://www.asakusaengei.com/
※10日ごとに協会別で演者が変わる
※昼の部 11:40~16:30
 夜の部 16:40~21:00
 入れ替えなし(入れ替えがある場合もあります)
※飲食OK
※席は自由(人気の演者では立ち見になることもあります)
※一般的なマナーを守ればよく、特別な作法は特になし

ある日の浅草演芸ホールの演者

行く度に新しい発見があるので、何度も通ってしまいます!

み:初めて聴く人は何か準備した方が楽しめるかな?
ひ:私は初めての友達と一緒に見に行くときは、こういうしおりを作って渡してます。

み:すごい! 見せて見せて(笑)。

み:初めはCDから入るっていうのもいいかもね。
ひ:そうですね。たぶんCDを聴いていたら、生で聴きたくなると思うんですよね。
み:CDに入ってるものは厳選されてるからおもしろいんだよ。寄席に行くと前座から始まって正直に言うとそんなにおもしろくないときもあるし。
ひ:寄席は前座から始まり、間に二つ目、トリは真打と決まっていて、合間に落語以外の漫才やマジックといった“色物”も見られます。その流れは知っておくといいですね。前座の方はまだ慣れていない感じがあったり、緊張感が伝わってきたりするので、初めて聴いたときに大丈夫かなって心配になってしまうことも。前座の方だと知っておくと少し見守るような気持で見れらるかもしれません。後々寄席に行ったときにメキメキうまくなっていると嬉しくなったり。「がんばれー」って、ちょっと見守る気持です(笑)。
み:お母さんだ(笑)。廣島さん流の楽しみ方ってあるの?
ひ:私は、当日配られる出番表を見ながら、おもしろいなと思った演者の方にチェックを入れるんです。次回その人が出るときを狙って行ったり、独演会に行ってみたりと、楽しみがどんどん増えていきます。浅草演芸ホールは、演目が張り出されていないので、初めて聴く噺のときはポイントを書き出しておいて、帰ってから何の演目だったのか調べて、内容を復習しています。
み:すごい……おたく (笑)。
ひ:あっ、こういう話だったんだって。そうしておくと、その話を次に聴いたときさらに楽しめます。もちろん初めてでもおもしろいんですけど、知っておくとさらにおもしろくて。演者が違うと、オチが違ったなとかアレンジされてるなあとか、行くたびに笑いと新しい発見があるので、何度も通ってしまいます。
み:寄席の雰囲気はどんな感じなの?
ひ:ゆったりとした和やかな感じかな。笑いが起きたときは何となく一体感がありますし、演者の方との距離も近いので親近感があって。同時に緊張感も伝わってきますね。

【POINT】
※前座から始まり、間に色物と二つ目、トリは真打の順番に進んでいく。
※色物:漫才、マジック、紙切り、曲芸など
※前座の方が上手になっていくのを見守る楽しみもあります。

落語好きの原点は笑点

み:廣島さんが落語に興味を持ったのは何がきっかけ?
ひ:実はきっかけは笑点なんです(笑)。
み:へぇ~。
ひ:生まれが山形なので、身近で落語に触れられる環境がなくて。
み:山形には寄席がなかったの?
ひ:ないんですよ。公演会や独演会も家から車で行かないといけなくて、小学生ぐらいまでは笑点が落語だと思っていました。小さいころから日曜の夕方になると家族で笑点を見るのが楽しみでしたよ。
み:じゃあ、大喜利が落語?
ひ:そう。あそこに出ている人たちだけが落語家さんだと思ってた(笑)。
み:選ばれた精鋭部隊5人みたいな(笑)。
ひ:特に三遊亭小遊三師匠が好きで。面白いのはもちろんですけど、恋愛対象としてもいけるくらい(笑)。
み:小遊三師匠が恋愛対象か(笑)。
ひ:アイドルを応援するような気持ですよ。
み:うちはお客さんでけっこう落語家さんとか来るよ。
ひ:すごい!  

結婚式で春風亭一左さんに落語を依頼!

み:小遊三師匠のほかに、おすすめの落語家さんている?
ひ:個人的な好みになってしまうのですが、瀧川鯉昇師匠は独特の間が絶妙で、噺に引き込まれてしまいます。あと柳家小三治師匠(10代目)は落語家としては三人目の人間国宝で、まだ生で聞いたことはないのですが、江戸っ子口調の滑稽話はテンポがよく、とても気持ちがいい。毎日iPodで聴いていますが、街中でニヤニヤが止まらなくなります。春風亭一左さんは春風亭一朝師匠のお弟子さんで、浅草演芸ホールでの公演はもちろん文七さん(浅草にあるカフェ)で落語会を開催したりと、浅草でいろいろな活動をされていますよ。実は私の結婚式でも落語をお願いした方なんです。

人間味のある登場人物に気持ちが軽くなることも

み:最後に落語の魅力をたっぷり語ってもらいましょうか。
ひ:歴史の授業を受けたり時代劇を見ても昔と今ににつながりを感じられず、以前、昔の人の暮らしは私の中でファンタジーといった印象でした。でも落語を聴くようになって、言葉や時代背景は違ってもおっちょこちょいな人や短気な人はいるんだなと、自分と通じる部分が感じられるよになったんです。困ったことはご隠居さんに聞いてほしいなと思ったり、与太郎とバカ話してみたいなと思ったり。そのくらい落語の噺に出てくる人々は人間味があり近しい存在に感じられるんです。主人公は貧乏だったり大変な状況の設定が多いのですが、苦しい状況の中にも笑い所があるという事で心が楽になり、見終わった後は何だか気持が軽くなるような、私にとってマッサージ効果のようなものがありますね。

春風亭一左さんからメッセージ!

なんと廣島さんが、おいでよTXのために春風亭一左さんにインタビューしてくださいました。
プロの視点で見た落語の楽しみ方について教えてくれましたよ。

「色々な噺家を見てみたいなら寄席がおすすめです。たっぷり一人の噺家を見たいのであればその方の独演会や勉強会など行かれるのがよいかと思います。また同じ噺でも噺家によって演出など違うので、いろいろな方の噺を聴いてみるのも面白いですよ。敷居が高いなど思われがちですが、元々は庶民の娯楽。誰にでもわかる噺なので気軽に映画を見に行くような感じでいいと思います! で、面白ければ笑う、ただそれだけです。寄席は場所によって雰囲気は違いますが、浅草演芸ホールは、はとバスの団体のお客様など、わりと観光名所としていらっしゃる方も多いですよ」(春風亭一左)

浅草演芸ホール外観


春風亭一左さんの今後の活動の予定もぜひチェックしてみてください。

「第33回 一左のいっさいがっさい」
(勉強会、ネタおろし有、3席) 毎月開催
6月17日(金) 19時開演 20時30終了
木戸銭:予約1,000円、当日1,200円
ワンオーダー制
会場:茶や あさくさ 文七
住所:台東区浅草1丁目21-5 エリカビル2F
電話:03-6231-6711
HP:http://ameblo.jp/asakusabunshichi/

春風亭一左さんのブログはこちらから
http://ameblo.jp/shunpuutei-issa/


いかがですか? お話を聞いて、思っていたよりも落語を身近に感じました!
遅くまでやっているので、お仕事帰りにちょっとなんていう楽しみ方もできそうですね。
観光やグルメなど見所の多い浅草の、新たな魅力発見です。



廣島麻衣さん ご主人が経営される本格ハンバーガー店の前で

「木道天国」
東京都台東区西浅草1-9-9 ユニオンビル1F
03-6231-6064

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